【後編】中庭をイメージした4.5畳の玄関。大容量収納も兼ねた使い方を限定しないフリースペース
物件概要
家族構成 | 1人暮らし |
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築年数 | 20年 |
間取り | 2LDK→1R |
専有面積 | 約60㎡ |
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工事費総額 | 約1200万円 |
種類 | 自宅リノベーション |
「玄関を入ったらすぐ居室がいい」というオリジナルの要望が形となった4畳半ほどの空間は、ちきりん様のこだわりがたくさん詰まった場所。
コンセプトは「スペインのパティオ」で、床にはイタリア製の屋外用タイルを敷き、天井や壁面にはフェイクグリーンをあしらった。ワークスペースにあるデスクや椅子を移動してきて打ち合わせを行うこともあり、ゲストには土足のまま気兼ねなく上がってもらえる。
家の中で使わないものは大容量の玄関収納へ
玄関の両サイドにはそれぞれ2m幅の大型収納を設置。輸入壁紙を貼った建具は、遊び心であふれている。色鮮やかなジャングル柄のクロスは、ちきりん様のお気に入り。
「パティオのような外っぽい雰囲気にしたかったので、グリーンの入ったジャングル柄とレンガ柄のクロスを選びました」
ジャングル柄のクローゼットには、靴はもちろん、腕時計やハンカチなど身の回りのもの、さらにはスーツケースなどの旅行アイテムを収納。「家の中で使わないものは、玄関より奥に持ち込む必要はない」と考えての合理的な収納計画だ。
収納場所を決めれば、物は増えない
部屋着から外出着の着替えはこのスペースで行っていて、レンガ柄のクローゼットにはコートや外出着のほか、ストールやアクセサリーなどを収納。「大きなWICをひとつ作るのではなく、生活動線に合わせて、必要な場所に必要な量の収納を作る方が片づけやすく散らからない」という。
また、扉ひとつ分のクローゼットをコート専用に。
「バッグや食器もそうですが、専用の収納を作って、『ここに入る分だけしか持たない』と決めることで、物がどんどん増えることがなくなりました」と、専用収納のよさを実感しているようす。
旅行アイテムの集約でパッキングを時短
海外旅行によく出かけるというちきりん様。行き先やレジャー別に分類した旅行アイテムやスーツケースは、まとめて一ヶ所に収納。
「玄関でパッキングをする際、すぐそばに必要なものが揃っているので、あちこちに物を取りに行く必要がありません。パッキングの時間は以前の半分くらいになったかも」という。
また、リノベ時に2回引っ越しをして断捨離ができたことで、収納量にはまだ余裕がある。スペースに余白を残しておくことで、見やすくて取り出しやすいのだそう。
スーツケースの出し入れがスムーズに
クローゼットは段差や扉のレールがなくフラットで、タイルを中までひと続きに敷いた。大きなスーツケースの出し入れが楽なだけでなく、タイヤを拭かないままでも気兼ねなく片付けられる。手持ちのスーツケースがぴったり収まるサイズで、スペースに無駄がない。
室内へと導くレンガのアーチ
玄関とキッチンの間の垂れ壁には、パティオらしさを演出するために曲線を取り入れ、レンガをあしらった。フェイクグリーンも合わせて、さながらパティオの門戸のような雰囲気に。
普通なら玄関から室内が丸見えにならないように、またはエアコン効率を上げるために扉を付けるところだが、「扉で仕切って一ヶ所のエアコン効率を上げるのではなくて、家じゅうどこにいても快適な温度の方がいい」と、扉を付けなかった理由は明確だ。また、フックを設置してあるので、打ち合わせ時など室内を見せたくない時は、布を垂らしてゆるく目隠しができる。
遊び心たっぷりの輸入壁紙
玄関からサニタリーにつながる引き戸にも、輸入壁紙を貼った。パティオの雰囲気にスッと馴染むデザインで、「友達が遊びに来ても、ここが扉だとはほとんど気付かないんですよ」とクスッと笑う。触れてみるとふさっとした柔らかな触り心地で、ゲストはさらに驚き盛り上がるのだそう。
今や身支度に欠かせないフックたち
玄関扉の横にもフックを設置。翌日に着る洋服をコーディネートしてフックに掛けておけば、朝の身支度がスムーズに行える。リノベーション前から「ここにフックが欲しいな」という場所にDIYで付けていたというちきりん様。
「今回のリノベーションでは玄関のほか、サニタリーやリビングにも、位置を細かく指定して付けてもらいました。リビングのベッドコーナーに付けたフックに濡れタオルをかけておけば、加湿器代わりにもなるんですよ」と教えてくれた。
ゲストのコート掛けにも活躍
DIYで取り付けたフックだと、重たいものには耐えられない。リノベーションでしっかりとしたフックを設置したことで、冬用の重いコートも安心して掛けられて、来客時にも役立っている。
また、玄関横の窓の前にもフックを付けた。風が通る位置なので、着替えた部屋着や外出着を一時掛けしながら湿気を飛ばせる。
不思議がられたクローゼット内部のフック
洋服を収納してあるクローゼットの中にもフックを設置。
「内側にフックを付けたいと大工さんにお願いしたら、『何でこんなところに?』と不思議がられました」と言って、ふふっと笑った。内側に付けたことで、扉を閉めれば外からは見えずにスッキリ。
コーディネート探しの際もフックの出番
クローゼットの内側に付けたフックは、洋服やストール、アクセサリーのコーディネートを考える時に大活躍。フックに掛けて足元まで俯瞰してチェックできるので、トータルコーディネートもしやすい。
ハンガー収納にもフックが活躍
洗濯機の横のフックにはハンガーを種類別に掛けていて、ワンアクションで手に取れる。このスペースには仮掛け用のバーも設置してあり、洗濯機から乾燥機、もしくはハンガーに掛けて仮掛けバーへと、一歩も動かずに洗濯物を片付けることができる自慢の動線だ。
悩めるバッグ収納は吊り下げて解決
設計士とともに散々悩んだというバッグ収納。最終的にはバーに吊り下げる形に。
「バッグは大きさや形状がバラバラ。バーを取り外し可能にして、高さを調整できるようにしました。吊り下げることで型崩れもしにくいですし、手持ちが一覧できてとても便利です」と満足そうに笑う。
BEFORE
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AFTER
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