決算レビュー
2025年5月期 中間期 経営成績の概況
当中間連結会計期間(2024年6月1日~2024年11月30日)におけるわが国経済は、好調な企業収益が設備投資を後押しするとともに、家計の雇用・所得環境の改善が個人消費を押し上げ、内需主導により景気は緩やかに回復しております。
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によりますと、首都圏の中古マンション市場は、成約価格が2024年11月において前年同期を6.1%上回り、また、成約件数は当該期間(2024年6月~11月)において前年と同水準となりました。
リノベーション事業分野におけるリノヴェックスマンション販売は、前期において財務バランスの強化を主眼に仕入ペースを抑え在庫のスリム化を行ったことにより、当中間期の販売件数が、前年同期比で17.3%減の539件となりました。また、平均販売価格は前年同期比で1.2%減となる2,823万円であったこと等により、同事業分野での売上高は前年同期比12.1%減となりました。一方、ソリューション事業分野において、一棟収益物件の売却を行ったこと、不動産小口化商品「アセットシェアリング+(プラス)」の組成、そして、高稼働率で推移しているホテル事業の増収等を要因として、同事業分野の売上高は、前年同期比で85.2%増となりました。その結果、当中間期における連結の売上高は、前年同期比0.2%減とほぼ前年と同水準となりました。
利益面では、リノヴェックスマンション販売において、前期に長期保有していた物件の早期売却を行い鮮度の高いものへと入替えを実施した結果、当中間期の利益率が大幅に改善したことに加え、一棟収益物件の売却をはじめとするソリューション事業分野の利益が大幅に伸長したことにより、連結での売上総利益は前年同期比59.7%増の増益となりました。そして、売上総利益の増加が、販売費及び一般管理費の増加(同7.1%増)を吸収したことにより、営業利益は前年同期比7.2倍の大幅な増益となりました。
これらの結果、2025年5月期中間期における売上高は、前年同期比0.2%減の226億34百万円となり、営業利益が前年同期から7.2倍の17億36百万円、経常利益が前年同期から15.0倍の15億67百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が前年同期から14.6倍の10億62百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
セグメント別業績
リノベーション事業分野
当事業分野における物件販売の売上高は、リノヴェックスマンションの販売件数の減少により、前年同期比18.2%減の152億35百万円となりました。また、同事業分野における賃貸収入の売上高は、同9.0%増の57百万円となりました。そして、同事業分野におけるその他収入の売上高は、子会社の再生住宅パートナーによる買取再販共同事業やインテリックス空間設計によるリノベーション内装事業等により同81.2%増の21億85百万円となりました。
これらの結果、当事業分野における売上高は同12.1%減の174億78百万円となりましたが、リノヴェックスマンション販売の利益率が大幅に改善したこと等により、同事業分野の営業利益は前年同期比386.9%増の6億64百万円となりました。
ソリューション事業分野
当事業分野における物件販売の売上高は、一棟収益物件の売却に加え、不動産小口化商品「アセットシェアリング+(プラス)」の組成があったこと等により、前年同期比で113.3%増の33億6百万円となりました。また、同事業分野における賃貸収入の売上高は、同10.5%減の4億70百万円となりました。そして、同事業分野におけるその他収入の売上高は、再生住宅パートナーによる収益物件共同事業やホテル事業の売上寄与により、同94.7%増の13億79百万円となりました。
これらの結果、当事業分野における売上高は同85.2%増の51億56百万円となり、営業利益は同175.7%増の15億4百万円となりました。
今後の見通し
当社は、中期経営方針として、【既存】主軸事業と【新規】先行投資事業の両輪の相乗効果を高めていくことにより経営基盤を強化する、『両利きの経営』を推進しております。2025年5月期においても、既存事業の収益体質の強化に伴う収益の拡大と、先行投資事業である、省エネリノベーションの技術開発・普及促進、またDXによる不動産売買プラットフォーム「FLIE」の構築に注力してまいります。
そして、当社は2025年7月に創立30年を迎えるにあたり、次なる成長を見据えた「次世代人財の育成」と、より強固な経営体制づくりを行うための「従業員エンゲージメントの向上」を柱とした『人的資本経営』の実践を推し進めてまいります。
当社の主軸事業は、既存住宅を活かして再生するリノベーション事業で、新築に比べ環境負荷の小さいサステナブルなビジネスです。さらに、現在注力しております省エネリノベーションの開発・普及により、CO2の削減につながる省エネ住宅の供給を増やしていくことが、今後、当社に求められる社会的ミッションであると考えております。既存住宅には省エネリノベーションが“あたりまえ”の時代が訪れることを見据えて、当社が率先して業界に働き掛けながら、普及拡大に努めてまいります。
(2025年5月期業績予想について)2025年1月10日発表
2025年5月期中間期までの業績が、リノヴェックスマンション販売の堅調な推移をはじめとしたリノベーション事業分野、及びソリューション事業分野の両事業分野においていずれも収益の上乗せがあったことにより、営業利益をはじめとする各利益は期初の予想を上回る結果となりました。
この中間期までの実績を踏まえると共に、下期が期初の計画通りに推移することを前提として、2025年5月期通期における連結業績予想数値を、下記の通り修正いたします。
(単位:百万円) | |||||
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主 に帰属する 当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
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前回発表予想(A) (2024年7月12日公表) |
45,011 | 1,619 | 1,186 | 896 | 111円90銭 |
今回修正予想(B) | 46,365 | 2,063 | 1,691 | 1,231 | 152円56銭 |
増減額(B-A) | 1,354 | 443 | 505 | 334 | - |
増減率(%) | 3.0 | 27.4 | 42.6 | 37.3 | - |
(ご参考)前期実績 (2024年5月期) |
42,702 | 931 | 607 | 414 | 50円04銭 |