極上のカウンターに人が集う。リノベホテルにインスピレーションを受けたワンルーム。
物件概要
家族構成 | 1人暮らし |
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築年数 | 22年 |
間取り | 1R→1R |
専有面積 | 約38㎡ |
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工事費総額 | 約2960万円 |
種類 | 自宅リノベーション |
東京都渋谷区 K様
仕事場として使ってきたマンションのリノベーションを、ここ数年検討されていたというK様。
「事務所としてだけでなく、セカンドハウスにもしたかったんです。とにかくカッコいい雰囲気にしたい、普通じゃつまらないと思いプランを立てていきました」
高い天井と窓際の工夫で開放的な空間に
仕上がりは黒をベースに、シャープでスタイリッシュ。躯体現しにした高い天井と、大きな窓が開放的な印象を与えている。
「コンパクトなワンルームですが、少しでも広く見せたかったので、天井を高くしてもらうことは絶対と考えていました」とK様。
さらに窓の周りにミラーを貼り、空間に奥行きを与えた。
「アートな建築やインテリアの写真を見ていくなかで、このようなデザインを見つけました」
鏡の間にピクチャーレールを付けた難易度の高い施工となったが、窓際に立つと左右はもちろん天井にも広がりが感じられ、その工夫には唸るものがあった。
仕事中は明るく、夜はバーのような雰囲気で
高い天井には十字形に配された照明がある。
仕事中は十字の照明で部屋を明るく照らし、プライベートタイムは間接照明だけにしてバーのような雰囲気を楽しんでいるとか。
造作したソファベッドの枕元には、座ることもできる収納を。
「夜景が美しいので、一番気に入っている高さで楽しむために、収納の上段を座れるようにしました」と座って見せてくれるK様。
複数名の来客があっても、気軽に座れるよう収納を兼ねたベンチが壁沿いにつながる。
当初は直線だったが、より座りやすくしたいと感じてカーブをつけてもらった。ここに座るとキッチンに立つ人ともゆっくり話しやすいので、とても気に入っているとか。
無垢の一枚板が存在感たっぷりのキッチン
黒で統一された家電が並ぶ、モダンなマットブラックのキッチン。
キッチンの壁はベルベッドのようなテクスチャの左官仕上げ。黒の中にさりげなくゴールドが入り、メタリックの陰影が大変美しい。
さらにカウンターはミャンマー産チークの一枚板を使い、重厚感は抜群。木口の美しさが格別な存在感を示している。
「このカウンターで仕事をすることもあるので、立ってPCを使ったり、ハイチェアに座ったりするのにちょうどいい高さにしました」とK様。
カウンターをなでながら、木口の小さな窪みにも「本物の木だからこその味わいですね」と微笑んだ。
“普通じゃない”サニタリールーム
躯体現しの天井に走る鉄管はゴールドに。玄関のコート掛けとして付けた真鍮のハンガーバーに合わせて塗装し、統一感を出した。
「アーティストが内装デザインをしたホテルのリノベーション事例を見て、こんな風にしてみたいと思いました」
玄関で身支度を整えるのに使う大きな鏡はスライドドア。その奥はラグジュアリー感が漂うサニタリールームだ。
「石目調のブラックタイルと間接照明で落ち着いた空間に。シャワーブースをガラスドアで仕切り、少しでも広く見せるようにしました」と、空間の見せ方へのこだわりを貫いている。
そんな細部までこだわるK様に建築士が勧めた洗面台は、薄さを極めた水栓の意匠が目を引く。まさに「普通ではつまらない」と感じていたK様らしい仕上がりとなった。
決断力で進めたリノベーション
造作したソファベッドは、K様がアイディアをラフスケッチして、それを建築士が家具職人と形にしたものだとか。
「仕事のときは寝具などを引き出し収納にしまい、来客があってもベッドだとは分からないようになっています。
デザインの参考になりそうな写真をひたすら見て、『これがいい、こんなことがしたい』と建築士さんに話すと、どんどん現実化していきました。こんなにカッコいい家になるとは思わなかったので最高です」
持ち前の決断力で打ち合わせを進めたK様。
「インテリックス空間設計は、対応が的確で丁寧でした。
リノベーションの打ち合わせは数か月に及ぶと言われ、そんなにかかるのかと思いましたが、終わってみるとあっという間でしたね。
これからリノベーションをする人も、時間をゆっくりかけて納得がいく家を作ってほしいです」と語った。