愛猫が駆け、風が通り抜ける、広々と心地良いインダストリアルな空間。
物件概要
家族構成 | 1人暮らし |
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築年数 | 47年 |
間取り | 3LDK→1LDK |
専有面積 | 約71㎡ |
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工事費総額 | 約1000万円 |
種類 | 購入してリノベーション |
東京都豊島区 K様
イメージを絞ってたどり着いた、インダストリアルなインテリア
薄曇りの日の訪問となったが、窓が多く明るさを感じるK様のお宅。
リビングダイニングから寝室にかけては室内窓が付いた壁はあるもののドアはなく、見晴らしのいい窓から風がよく入る。真夏でも、エアコンがいらないくらい心地良い。しかも夜には、新宿の夜景が楽しめるという。
室内に目を向けると、内装はシンプルながら、温もりを感じるアンティークな家具やインダストリアルな雑貨が並んでいる。
「建築士さんに、好きな内装の写真を約10点と、その時に暮らしていた部屋の写真をメールして好みの雰囲気を伝えました。もともと和の雰囲気が好きで、祖母から引き継いだ茶箱も色を塗り直して使っています。でも家をジャパニーズモダンにはしたくなくて。
それから、ひと目惚れした落書きの残るヴィンテージのドアをプランが決まる前に購入したのですが、それに合わせたヴィンテージ感を活かしたデザインにしたいなと思いました。
そこで、内装は落ち着いた色でシンプルに。そこにアンティークショップで見つけたライトや、元々使っていた古家具を活用しました」
たっぷりの日差しを満喫できるインナーテラス
コンクリート現しの天井やモールテックスで仕上げたキッチンなど、硬質な印象の室内にたっぷりと差し込む日差し。窓から遠いキッチンやダイニングまで日差しが届くのは、大きな室内窓のおかげだ。リビングと寝室、そしてキッチンと寝室を仕切る壁には、それぞれ大きな室内窓が付けられている。
「室内窓の色とサイズにはとてもこだわり、造作しました。
色は、試し塗りをした木片をいくつも比べて選びました。こちらのイメージが職人さんに100%伝わっているのかと不安もありましたが、昼夜で印象の変わる絶妙な色に仕上がり満足しています」
さらに日差しを存分に楽しめるスペースとして、寝室にはインナーテラスが設けられている。
「物件探し中に窓に面した書斎スペースのある家を見て、我が家にもそんなスペースを作りたいと思いました。また、母の実家に床素材を切り替えたサンルームがあり、それにも憧れがあったんです。
寝室側には窓が2面あり、区切りとなるような梁もあるので、床タイルで切り替えてインナーテラスにしました。床タイルは当初、室内の雰囲気に合わせてグレーを基調にしようと思いましたが、白ベースにしたことでより明るいスペースになり、とても気に入っています」
ロッキングチェアが置かれたインナーテラスでは、K様の愛猫もよく日向ぼっこを楽しんでいるとか。窓辺に設けられたカウンターに乗っては、外を眺めてくつろいでいるそうだ。
ドアがないので、家中が愛猫の遊び場
訪問時、K様の愛猫はウォークインクローゼットの上から下を眺めていた。景色が一望できるインナーテラスの窓辺と、天井には届かない壁で仕切ったクローゼットの上がお気に入りらしい。
「クローゼットに湿気がこもらないようにと、天井との間に空間を設けました。そうしたら猫が上るようになり、思いがけず遊び場が増えました。
リビングに設置したキャットウォークは踏み板の高さを決めるのにとても苦心したのですが、こちらに上るのは週に1回くらいです」とK様は笑う。
リビングにはキャットトンネルがあり、こちらをくぐると洗面台の下に置かれたキャットトイレに通じる。
「私の外出時には、猫が玄関に近付かずにリビングとトイレを行き来できるようにしました。ドアがないので、いつもリビングやダイニング、寝室と、家中を元気に走り回っています」と目を細める。
迷った時はインテリアショップで気分転換を
ご自身でもDIYをすることがあり、インテリア雑誌を眺めるのも好きなK様。
クローゼットや室内窓のサイズを決める際は、スケルトンになった室内にマスキングテープを貼って想像を膨らませたそうだ。
ところがプランを決める時には夢がどんどん膨らみ、決めなくてはいけないことや期限との間で収集がつかなくなったこともあったとか。
「インダストリアルは好きだけど黒すぎるのはイヤだなとか、和風にはしたくないなと、自分のこだわりに振り回されてしまうことが何度かありました。
スイッチやコンセントの位置まで自分で決めなくてはいけないし、工期はあるしで、本当にこれでいいのかと迷い、心が折れそうになることもありました。
でも、インテリックス空間設計のみなさんが管理組合と細かなやり取りをしてくれたり、思いがけない事態にも素早く対処してくれて。その上で『せっかくの自分の家なんですから、楽しみましょう』と声を掛けてくれて、私も楽しもうと思えました。
それでも追い詰められた時は、美術館やインテリアショップに出かけて気分転換。1日でもリノベーションのことを忘れて過ごすことで、また気持ちが高まりました。
あちこち試行錯誤していただいて、仕上がりはとても気に入っています。でもやっぱり和の雰囲気は好きなので、将来的には和風にリフォームするかもしれませんね」