東京都渋谷区 / リノベーションマンション
表参道にあるケヤキ並木の大通りから一歩奥まった閑静なエリアにある、風格のあるマンション。ドアを開け、ギャラリースペースを通った先は約34.7帖のLDK。バイオエタノール暖炉の炎を眺めてくつろいだり、友人を招いてホームパーティーを催したり―。居心地の良さと華やかさが両居するこの部屋は1981年建築のヴィンテージマンション〈ベルテシリーズ〉の一室をリノベーションしたものです。ベルテシリーズは、いわゆる高級マンションのさきがけ。重厚で格式漂う物件の個性を活かしながら、「いかに時代に適合させるか?」をテーマに設計を行いました。冒頭のLDKへの動線もそのひとつ。エネルギッシュな街で刺激を受けて帰宅し、突然プライベートな空間へ切り替わるのではなく、ギャラリーを挟むことで居室に着く頃には自然とリラックスしている仕掛けです。玄関を入ってすぐのスペースは「HANARE」と名付けたワークスペース。本棚とデスクは造り付けで、書斎の雰囲気に合うよう一からデザインしています。造作家具だけでなくキッチンや洗面台もフルオーダーですが、「最新」を売りにしたデザインが5年もすれば「型落ち」になるのに対し、ヴィンテージマンションに寄り添う重厚なデザインは、時間とともに磨かれていきます。設備についても、海外製の高機能な保温浴槽やハイスペック&ハイブリッドのエコキューブを導入。どこまでも快適に暮らしながら、ヴィンテージマンションならではの趣のある上質さに包まれ、住むほどに愛着が深まる一室です。
1.約34.7帖のLDKの大理石調の壁面にはマルチメディアコンセントを設置。2. 外部とプライベート空間を分けるギャラリースペースが気持ちをゆるやかにOFFモードに切り替える。 3.寝室と隣接するドレッシングルーム。中央のコーディネートテーブルは収納力も十分。4.作業に集中できるクローズドキッチン。LDK側には、パーティーシンクを備えたカウンターが来客時に活躍します。
東京都北区 / リノベーション
以前から、収納の少なさに悩まれていたオーナーのH様。ひとつの空間を複数の用途で使えるようリノベーションすることでスペースをしっかり確保し、念願の「大容量収納」を実現しました。たとえば、玄関土間の小上がり。玄関ホールでありながら、ロールスクリーンで区切ればワークスペースや客間としても使えるうえ、小上がりの下には季節家電やひな人形を収納可能。リビングダイニングの壁面にも大きなオープン棚を設けて収納力をアップさせていますが、扉をつけないことでスペースを節約しつつ、空間を開放的に演出する効果も。「生活の質が格段に上がりました。スッキリ片付き、大満足の家です!」(H様)。
1.リビングダイニングの収納は可動式。飾り棚としても自由に使える。 2.小上がりの壁をスクリーンに、映画鑑賞。3.寝室の奥はワークスペース兼ウォークインクローゼット。
物理的にも視覚的にも広々と。
寝室にはベッドとして使える小上がりを設け、その下も収納にしています。収納を増やして物理的なスペースを生み出すとともに、室内窓を取り付け圧迫感を軽減させるなど、視覚的な「広さ」にもこだわりました。
担当者山田 夏芽
都心にありながら、優雅な内装と自然に安らぐ空間
立地・建物(外観や共用部)・内装の3点を見て購入される方が多いので、建物の重厚さや優雅さを内装へどう反映するか、非常にこだわりました。私自身、ヴィンテージマンションマニアなので(笑)。敷地の60%が緑地のため、外の景色を楽しんでもらえるよう、寝室の窓際スペースに広がりを持たせているのもポイントです。
設計者深田 哉々(Vacilando代表・一級建築士)